「池の水ぜんぶ抜く」取材中止で見えてきたこと

「市の関係者は『タレントが文化財をほじくり返すという行為は、教育的観点からも問題がある。住民が清掃のために浚渫(しゅんせつ)する(土砂を取り除く)のと、テレビ局が発掘を目的に浚渫するのとでは意味が違う』と話す」
「池の水ぜんぶ抜く」人気特番ロケが中止になったワケ…舞台は“卑弥呼の墓”で反響大きく(産経ニュースWEST 18/02/07)http://www.sankei.com/west/news/180207/wst1802070001-n1.html
このTV番組については、気持ち悪さを感じるけど、その気持ち悪さの正体は何なのかを理解して、理路整然と言葉にできないもどかしさが、人気番組になるにつれて世の中に溢れ始めてるようです。それを言葉にしようとする試みも見られますが、ほとんど成功してません。例えば下のような記事ですが、それで結局のところ何が言いたいの!? という歯切れの悪さを感じます。
テレビ東京「池の水ぜんぶ抜く」不定期放送でもネタ切れ?(メディアゴン 18/01/07)http://mediagong.jp/?p=24754
なぜ成功しないかと言うと、番組の重要な構成要素であり、売り物でもある外来種のことをちゃんと理解できてないことが大きな原因の一つなんですよね。そのことをわかりやすくするために、ここで言葉遊びをしてみましょう。
「タレントが外来種を虐めるという行為は、教育的観点からも問題がある。住民が環境保護のために外来種を駆除するのと、テレビ局が見せ物にすることを目的に外来種を殺すのとでは意味が違う」
文化財は、まぁ何かの役に立つんでしょうね。だからこそ研究対象にされ、保護もされてるわけです。それに対して外来種は、役に立たない、害があるものだから、タレントが虐めてもかまわない、テレビ局が見せ物にしてもかまわない。簡単な言葉の置きかえから、そのことが鮮明になりました。
箸墓古墳に隣接する箸中大池は、農業用利水の必要がない期間に毎年水抜きをしてるようです。そんな管理が行き届いた池でTVが水を抜いて何をしたいのか!? 土器の欠片でも見付けて見せ物にしたいんでしょうね。金と時間をかけて取材して、もし何も出なかったら・・・。仕込み、ヤラセ、捏造、嘘、TVは平気でそういうことをするから、危ない危ない。
「ロケ中止について、地元の住民からは『結果的によかった』との声が聞かれたが、一方で市や関係各所には『協力すれば観光アピールになるのに…』などと不満の声も寄せられたという」
取材中止を不満とする意見の代表が、観光アピールできなくて残念って、もうちょっとうまいことを言えんのかと思ってしまいます。こういうことに喜んで便乗する奴らのアホさまる出し。自分から正体ばらしてどうするねん。
つまり気持ち悪さの正体は、この番組に多層的に積み重なる偽善に対するものなんですよね。池の水質も、ゴミも、外来種も、TVの特番の枠内で水抜きしたところで、根本的に解決するものではありありません。番組が標榜する環境保護意識の向上みたいなことは、TVを見て共感してる人達に期待すること自体が間違いであって、そういう看板を上げるふりしながら金儲けしてるTVがそもそも偽善の塊です。
本当に水抜きで世の中の役に立ちたいんだったら、全国津々浦々の池の水抜きを取材して、それも一時的ではなく恒久的に取材し続けながら番組にして、それを24時間放送し続ける水抜き専門チャンネルでも作らんとあかんやろね。そんなもん誰が観るかはシランケド・・・(笑)
そこまでは踏み込まず、自分は安全な場所にいながら、外来種についての知識も不十分なまま、何を言っても書いても掘り下げ方が不十分過ぎて話になりません。最初の方で「外来種のことをちゃんと理解できてないことが大きな原因の一つ」と書きました。だったらほかに何か原因があるのかと言うと、TVがやってることを否定できない側にいる限り、何を言っても書いても偽善者が偽善を論じてるに過ぎないということです(笑)
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