琵琶湖なう 阪神学生オーケストラ第7回スペシャルコンサート ショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」

ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」は若い頃にはまった曲の一つです。もちろんLPで、コンドラシン指揮モスクワフィルの盤だったと思うんですが、あまりにも古過ぎていくら調べても詳しいデータが見付かりません。まぁそんな感じで長い間忘れてた曲が尼崎のあましんアルカイックホールで演奏されるということで、聴きに行ってきました。

昨年の半ば頃から、こういう風に聴きたかった曲の演奏会を見付けては足を運ぶことが多くなってます。マーラーの7番、8番、ブルックナーの5番、今回のショスタコーヴィチもその典型ですが、プロのオーケストラがあまり演奏しない曲をアマチュアオーケストラのコンサートで見付けては聴きに行くのが楽しみになってきました。もちろん定番曲を聴きに行くのもやめないから、コンサートに行く頻度が多くなって、これからバスフィッシングのシーズンになったらちょっとたいへんかもしれません(笑)

ショスタコーヴィチの交響曲第7番は「レニングラード」の副題がある通り、第2次世界大戦の独ソ戦における山場の一つであったレニングラード攻防戦の真っ只中に作られた曲です。そういう尾ヒレがリュウキンのごとく付いて回ってる曲だから、ネトウヨなんかにとっては絶好の炎上対象かもしれません。僕がはまったきっかけも、最初はそういうミリタリーかつイデオロギー的な興味半分でしたが、内容はすばらしく、しかも古典派からロマン派に受け継がれた交響曲という音楽形式で成功した作曲家のほぼ最後に位置するショスタコーヴィチの代表的名曲です。第5番「革命」の方がよく知られていて、第4楽章の冒頭を聞けば、あぁあの曲かと思い浮かぶ人は少なくないと思いますが、第7番の方が深みと円熟感があって僕は好きです。

演奏は阪神学生オーケストラ。メンバーは関西から金沢まで21大学のオーケストラから選ばれた4回生を中心に編成されています。8管を越える大編成での演奏は、なかなか単独のオケでは難しいから、ショスタコーヴィッチはピッタリの選曲ですね。演奏は、各パートが実にうまくて、レベルが高く、さすが各大学から選び抜かれた奏者揃いだけのことはあります。聞き惚れるソロパートが随所に次々と出てくるから、息をつく暇がありません。合奏もていねいかつパワフルで、フルに鳴らす所なんか疲れを知りません。その点でソロパートと対照的で、曲の深みと立体感を鮮やかに描き出してます。

若い指揮者の高谷光信は、そんなオケの能力をフルに引き出して、ソロで謡わせる所は奏者に腕を振るわせる一方、第1楽章の長い長いクレッシェンドの最後にくる圧倒的フォルテッシモや第4楽章のコーダなんかは大編成のオケに思い切り弾かせ、吹かせ、叩かせてます。度が過ぎると破綻してしまうぎりぎりの所で踏み止まってバランスを取ってるから、聴き慣れない人だとメロディラインを見失って単なる騒音にしか聞こえないかもしれません。それぐらいパワフルな演奏で、こんなに強い音楽を聞いたのは初めてです。

客席に若い人が多いのは、各大学のオケの後輩が聞きに来てるんですね。どうりで演奏会のタイミングがタイミングだけに、会場では差し入れを口実のチョコレートが飛び交ってました(笑) オケが大学の4回生を中心に編成されてるということは、このコンサートが学生最後になる奏者も少なくないということです。そして聴いてるのは多くが彼らの後輩。スポーツ大会と違って、わぁ〜先輩すご〜い!! という応援の仕方にはなりませんが、いつも聴きに行ってるアマチュアオケの演奏後の盛り上がりとはちょっと違う感じがします。

先輩が集まったオーケストラが後輩の前で最後のがんばりで名演を見せる。それを聴いた後輩は、自分達も新年度から負けないようにがんばってやっていこうと思う。文化の継承とはこういうことですね。翻って釣りの世界では、はたしてそういうことがうまくできてるでしょうか!? 我が身に例えるなら、自分みたいな年寄りと付き合ってくれてる若い人が何人もいます。そんな人達に自分の知識を惜しみなく伝え、態度と行動で釣りというものを教える。そういうことがちゃんとできてるかどうかです。口先で言うだけではなく、行動で示すことができてるかどうかです。そのことを改めて思いなおしただけでも、尼崎まで行ったかいがありました。演奏も本当に素晴らしかったし、ありがとう阪神学生オーケストラ!!

琵琶湖なう 栗東管弦楽団演奏会 チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」(19/01/18)http://bassingkawaraban.blog.fc2.com/blog-entry-5254.html
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